文:ラリーズ編集部
伊藤美誠がドイツOP準優勝
ITTFワールドツアープラチナ・ドイツオープンが13日に終了した。
男子シングルスでは、優勝の樊振東(ファンジェンドン・中国)、準優勝の許昕(シュシン・中国)を含め、ベスト4を中国3名が占め、他国の追随を許さない。中でも樊振東は意外に343日ぶりの国際大会での優勝となった。
日本勢では、張本智和(木下グループ)が3大会ぶりにベスト8に勝ち残った。水谷隼(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)はともにフルゲームの激戦の末敗れ、2回戦敗退となった。
女子シングルスでは、伊藤美誠(スターツ)が決勝で孫穎莎(スンインシャ・中国)に敗れたもののワールドツアー2大会連続で準優勝を飾った。
また、平野美宇(日本生命)、早田ひな(日本生命)は王藝迪(ワンイーディー・中国)と陳幸同(チェンシントン・中国)にそれぞれ敗れ、1回戦で敗退となった。また、石川佳純(全農)、加藤美優(日本ペイントホールディングス)、佐藤瞳(ミキハウス)が2回戦で敗れた。
ドイツOPの結果、準優勝の伊藤には、世界ランキングポイント1800Ptが加算され、男子シングルスベスト8の張本は1125Ptを獲得することになる。
写真:伊藤美誠(スターツ)/提供:ittfworld
ドイツOP終了時点での五輪出場権争い展望
東京五輪シングルスの出場権は2020年1月時点の世界ランキング上位2名に与えられる。その2020年1月を見据え、「2020年1月時点で有効であるポイント」を集計し、五輪出場争いの展望をまとめた。
まずは、世界ランキングの算出方法からおさらいをしておこう。
ITTFが定める卓球世界ランキングは、以下のような規定により決定される。
・ITTFが規定する大会のうち、過去1年以内の大会結果をもとに算出
・世界選手権など一部の大会は1年以上前でも計算対象とする。同大会が次に開催されるまで有効となる。
・対象となる大会のうち、獲得ポイントが多い上位8大会でのポイント合計がその選手の合計ポイントとなる。
・T2ダイヤモンドでの獲得ポイントは上位8大会のポイント合計とは別に加算される。
つまり、現時点(2019年10月)の世界ランキングポイントの中から、2020年1月には失効してしまうものを考慮する必要がある。
今回は「2020年1月時点で有効であるポイント」だけをドイツOP終了時点まで集計した。そのため、以下で紹介する各選手のポイントはITTFが発表する世界ランキングポイントとは異なるものとなる。
>>卓球・世界ランキングの決め方は? 規定が2020年を目前に改定、そのポイントとは
ドイツOPを終え、各選手のポイントは?
写真:丹羽孝希(スヴェンソン)/提供:ittfworld
ドイツオープンの結果を含め、2020年1月まで有効なポイントだけで算出した男女日本選手のポイントランキングは以下だ。
男子
1 張本智和 10975Pt(10750Pt)
2 水谷隼 8425Pt(8245Pt)
3 丹羽孝希 7960Pt(7735Pt)
4 森薗政崇 5195Pt(5085Pt)
5 神巧也 4945Pt(4610Pt)
6 吉村和弘 4830Pt(4830Pt)
女子
1 伊藤美誠 12305Pt(11405Pt)
2 平野美宇 10175Pt(10175Pt)
3 石川佳純 9855Pt(9855Pt)
4 加藤美優 7545Pt(7195Pt)
5 佐藤瞳 7315Pt(7135Pt)
6 早田ひな 6760Pt(6625Pt)
※Pt右の()内はOPスウェーデンOP終了時の2020年1月まで有効なポイント
男子では、ドイツOPベスト8の張本がポイントを伸ばした。また、2位、3位を争う水谷と丹羽の差はわずかに縮まった。スウェーデンOP、ドイツOPと予選を突破し、好調ぶりを見せている神巧也(T.T彩たま)が5位に躍り出た。
一方、女子は10月世界ランキング10位以内の伊藤(同7位)、平野(同9位)、石川(同8位)の3強が相変わらず鎬を削る中、スウェーデンOPに引き続き、ドイツOPでも準優勝の伊藤がポイントを大幅に増やした。
有力選手たちの今後の出場予定
写真:平野美宇(日本生命)/提供:ittfworld
2枠の五輪シングルス出場枠を巡る熾烈な争いもいよいよ終盤。主力選手たちの出場が見込まれる今後の大会スケジュールは以下の通りだ。
10/16~10/20 ITTFチャレンジシリーズ・ポーランドオープン
10/18~10/20 2019女子ワールドカップ
11/6~11/10 JA全農 ITTF 卓球ワールドカップ団体戦
11/12~11/17 ITTFワールドツアー・オーストリアオープン
11/21~11/24 T2ダイヤモンド
11/29~12/1 2019男子ワールドカップ
12/12~12/15 ITTFワールドツアーグランドファイナル
この後は、16日から20日にかけてITTFチャレンジシリーズ・ポーランドオープン、18日から20日にかけて女子ワールドカップが開催される予定だ。
ポーランドOPには、早田が参加する。優勝で手に入るポイントは850Ptであり、少しずつ差を詰めたい早田にとっては重要な大会となるだろう。
最大2550Ptが手に入る女子ワールドカップには、石川と平野が参加する。各国から実力者が集う大会で上位進出し、ポイントを積み重ねられるか要注目だ。